MVNOはドコモやauの通信網を利用してサービス提供していますが、一部のMVNOでは複数の携帯電話会社の通信網を利用したサービス(プラン)を提供している事業者があります。
いわゆるマルチキャリアに対応したMVNOで、一つのMVNOサービス内でドコモ網のプランやau網のプランを提供しています。
このページではマルチキャリアの説明やメリット、マルチキャリアに対応したMVNOの格安SIMサービスについてまとめています。
マルチキャリア対応のMVNOとは?
マルチキャリアは、一般的には複数の携帯電話会社の通信網を利用したプラン・サービスを提供しているMVNOのことを言います。
ドコモやauなど大手キャリアでは、ドコモで契約すれば当然ドコモのサービス、auならauのサービス内でしか利用できませんが、マルチキャリア対応のMVNOではユーザーが自由にプラン(回線)を選ぶことができます。
一つのMVNOサービス内で、ドコモプランとauプランのように回線によってプランが分かれており、それぞれでデータ専用SIMや音声通話に対応したSIMカードを提供しています。
mineoやIIjmioなどはドコモとauのプランを提供しており、最近ではソフトバンクの通信網を利用したプランを提供するMVNOが出てきています。
マルチキャリアのメリット
同じサービス内であってもエリアや好みに合わせて契約プランが選べるので、利用者としては選択肢が広がります。
複数(マルチ)の携帯電話会社の通信網を利用できるため、SIMロックがかけられているキャリア版のスマートフォンをそのまま利用しやいのがメリットとなります。
また、エリアによって繋がりやすい回線を選べたり、契約プランを変更できる点もメリットとなります。
複数のSIMを利用する場合はドコモプランとauプラン間でパケット(高速データ通信量)をシェアできるサービスもあります。
マルチキャリアMVNOでできること
サービスによって異なりますが、マルチキャリア対応のMVNOの中には、ドコモ網のプランからau網のプランへ、逆にau網のプランからドコモ網のプランへとプランを変更することもできます。
MVNOによっては、1契約で複数のSIMを追加し利用することができますが、ドコモプランを利用しているユーザーがauプランのSIMを追加することもできるなど、同サービス内で自由に組み合わせることも可能となります。
通話SIMの場合は、家族間でドコモプランとauプランを選択できるため父親はドコモプラン、母親はauプランを利用するというような使い方もできます。
※サービス内容は各MVNOで異なります。
マルチキャリア対応のMVNOサービス
マルチキャリア、マルチMVNOに対応した格安SIMサービスをご紹介いたします。
mineo
MVNOでも早い段階でマルチキャリアに対応したmineo(マイネオ)は、ドコモ網のドコモプラン(Dプラン)とau網のauプラン(Aプラン)を提供しています。
どちらのプランでもデータ専用SIM(シングルタイプ)と、通話が可能な090音声通話(デュアルタイプ)を用意。
データ専用SIMの料金は同じですが、DプランにSMS機能を追加する場合は月額120円かかるのに対し、AプランはSMS機能が標準で無料となります。
また、音声通話SIMはDプランが+月額700円に対して、Aプランは+月額610円となるため通話SIM(デュアルタイプ)を利用する場合はauプランのほうが若干安くなります。
通話料金や5分かけ放題サービス、通話定額サービスはどちらも変わりませんが、オプションサービス内容が若干異なることも。
mineoでは、2,160円(税込)の変更事務手数料がかかりますが、DプランとAプランの間でプラン変更可能で端末の割賦契約や利用期間、5分かけ放題サービス、通話定額30/60、各種割引などはそのまま引き継ぐことができます。
IIJmio
IIJmioでもドコモ網のプラン「タイプD」とau網のプラン「タイプA」の2つのサービスを提供しています。
IIjmioの特徴は全てのプランでSIMカードを複数枚利用することができ、タイプDを利用中の方でもタイプAのSIMを、タイプAを利用中の方がタイプDを追加することもできます。
ミニマムスタートプランとライトスタートプランの2枚目、ファミリーシェアプランの4枚目以降はSIMを追加することができます。
さらに特徴的なのが、複数枚SIMを利用する場合は同一プラン内のタイプAとタイプD間でデータ量をシェアすることができます。
追加SIMの利用料金はSIMカード1枚につき月額400円(税抜)かかりますが、家族みんなで乗り換える場合は大幅に節約することも可能となります。
3GB ミニマムスタートプランのタイプDはデータ専用SIMが月額900円から、SMS機能付きデータSIMが月額1,040円から利用可能ですが、タイプAのデータSIMには標準でSNS機能が無料で付いているのでSMS機能付きデータSIMは月額900円から利用できます。
音声通話に対応したSIMはDプラン、Aプランともに月額1,600円から利用可能です。
関連情報:IIJmioでSIMを追加する方法と利用までの流れ
QT mobile
九州電力グループのBBIQが運営するMVNOサービスでもドコモ回線(Dタイプ)とau回線(Aタイプ)を提供しています。
データコース 1GBはどちらのコースでも月額600円から利用できますが、Aタイプは標準でSMS機能が付いています。
データ+通話コースは月額1,450円から利用可能です。
スマモバ
スマモバではドコモ回線を利用した「LTE使い放題プラン」、「シンプルバリュープラン」のほか、1GB〜最大25GBのプランを提供していますが、ソフトバンク回線を利用した「スマモバ(S)プラン」やワイモバイル回線を利用した「スマモバ(Y)」など様々なサービスプランを提供しています。
スマモバ(S)プランは現時点ではiPhoneもしくはiPad専用のデータSIMのみの提供。
スマモバ(Y)は音声通話付きのSIM単体プランで、10分以内の通話がかけ放題になるサービスが標準で組み込まれていて、スマモバ(Y) プランSは月額2,980円から利用可能となります。
b-mobile
b-mobileでは、ドコモ回線を利用した5段階定額プラン「おかわりSIM」や25GBまで速度制限なしの「25GB定額」を提供していますが、2017年3月からソフトバンク回線を利用した格安SIMサービス「b-mobile S 開幕SIM」の提供を開始しました。
現時点では、ソフトバンクのiPhoneもしくはiPad専用のデータSIMのみの提供で、対象の機種であればSIMロック解除しなくてもソフトバンクで購入したiPhone、iPadを利用することができます。
ドコモ回線を利用した「おかわりSIM」はデータ専用SIMで月額500円から使った分だけの料金となり、音声通話SIMにも対応しています。
月額500円から追加できる「通話3分定額オプション」を提供するなど充実の内容となっています。
U-mobile
U-mobileのサービスにはドコモ回線を利用したプランのほかに、10分以内の通話なら何度でも無料でかけれるワイモバイル回線を利用したプランやソフトバンク回線を利用したiPhone、iPad用データSIMなど様々なサービスを提供しています。
利用できる端末が豊富などメリットも多いですが、サービス・プランが多いため、初めて格安SIMを利用する方には迷ってしまうかもしれません。
ドコモ回線のサービスは低容量なプランからLTE使い放題プランまで幅広く用意されています。
マルチキャリア対応のMVNO(格安SIM)比較まとめ
最近ではドコモ網だけでなく、auやソフトバンク網を利用したサービスプランを提供するMVNOが増えてきています。
マルチキャリア対応のMVNOであれば、好きなサービス(回線)プランを選べるので選択肢が広がるなどのメリットがあります。
また、マルチキャリア対応のMVNOは使えるスマートフォン端末が多いので、キャリアで購入した端末でもSIMロック解除不要でそのまま利用できることも多く便利。
mineoは比較的安くドコモプランとauプランの変更が可能で、割賦契約や利用期間、一部の通話サービスなどそのまま引き継ぎができ、IIJmioでは複数枚SIMを利用する場合は同一プラン内のタイプAとタイプD間でデータ量をシェアできるなどマルチキャリア対応のMVNOだからこそできるサービスが魅力です。
※実際の情報とは異なる場合がありますので、詳細は各WEBサイトをご覧ください。
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